そろそろ切り上げてみたいと思います。
メル友探しサイトのシステムオペレーターである山田の「メグミ」に対する感情は、日増しに高まっていきました。
このあたりが引きどきなのです。
もちろん、これ以上メル友探しサイトのシステムオペレーターである山田の一途な思いを弄ぶことに、どこか後ろめたさを感じはじめてきたのも、正直なところです。
僕は、「メグミ」をメル友探しサイトのシステムオペレーターである山田のいい思い出のままにしておくためにも、ネット上から「メグミ」の存在を消すことにしました。
「シスオペさんのことを、お兄さんのような人だと思っていました。好きとか嫌いとかではなくて、相談に乗ってくれる優しいお兄さん。メグミはお兄さんもお姉さんもいなかったから、お兄さんみたいなシスオペさんに憧れていたんだと思う。でも、憧れていたお兄さんを悩ませていたなんて、悪いことをしてしまいました。もう顔も見せられません。どこかの道ですれ違っても、お兄さんはわからないと思うけど、私は多分わかると思います。女の勘ですよね。その時は笑顔で後ろ姿を眺めていたいと思います」
山田宛てに送られた「メグミ」からの最後のメールは、たしかこんなふうに書かれていたと思います。
もっとも、僕は好奇心から、この後も一度だけ「メグミ」のメール箱を開きました。
そこには、メル友探しサイトのシステムオペレーターである山田からの、「メグミちゃん。憧れで終わるなんて寂しいよ。僕の中にあるメグミちゃんの存在が大きくなって止めることができない……」といった、切実な思いが綴られていました。
ちよっぴり悪いことをしたと、反省したのはいうまでもありません。
僕のパソコン通信歴も今年で十年目を迎えましたが、この間、百人近くの「ネットおかま」に遭遇しました。
一度「ネットおかま」の味を覚えると止められなくなる人もいるようです。
この時は、結局、相手の顔を見ずに尻切れとんぼで終わりにしてしまいましたが、なかには、こういったやりとりを、ネット上に実名で公開するなど、相手の立場を平気で貶める悪質な連中もいたりします。
もしあなたが、メル友探しサイト上で、女の子をナンパしたいと考えているなら、充分気をつけたほうがいいかもしれません。
え? おまえもそのひとりだろうって? 僕は、決して、あなたに迷惑をかけるようなことはしませんから、その点はご安心を。
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