ネカマになって遊んでみました
「ネットおかま」という言葉をご存知でしょうか。
メル友探しサイトをやったことがある人なら一度は耳にしていると思いますが、簡単に言えば、女性を装ってメル友探しサイト上に侵入し、男性会員からのアプローチなどを暗に誘いながら、そのやりとりを弄ぶ連中のことを言います。
メル友探しサイトの場合、相手の顔はもとより、声も聞こえないわけですから、その気になりさえすれば、ネット上で簡単に性別を偽ることができるのです。
とくに、草の根ネットと呼ばれる非営利ネットでは、ニフテイなどと違い、入会手続きがいいかげんなところが多いので、メル友探しサイトによっては、こうした「ネットおかま」の温床になっているところもあるのです。
とはいえ、誰にでもこうした変身願望はあるものです。
以前、インターネットのIRC(インターネット版チャット)で『ネットおかま』やったことある人いますか?」と質問したところ、「ある」と答えたパソコン・マニアがいかに多かったか。
ネット上でのおかま人口は想像以上に多いのです。
何を隠そう、僕自身がそうです。
「ネットおかま」の常習犯だった時期もあります(今でも、ときどきやりたくなったりしますが……)。
騙した相手には気の毒ですが、いろいろ愉快なエピソードもありました。
その中で、とくに傑作だったでネットおかま」体験記を以下でちょっとご披露いたしましょう。
▼狙われたシスオペ
パソコン通信のネットを運営している人をシスオペ(システムオペレーター)というのですが、ネットに会員として参加するためには、名前や住所。
電話番号などの個人情報をあらかじめこのシスオペに提出しなければなりません。
いわば、身元調査のようなものです。
シスオペは、こうしたメル友探しサイトの会員の個人情報を管理したり、メル友探しサイトの会員同士のメールのやりとりをチェックするのです。
そして、この特権を悪用して、提出された個人データやメールをもとに女性会員に接触をはかるシスオペは結構多いのです。
僕がこれから述べる「ネットおかま」体験は、この特権を逆手にとって、シスオペ本人を、まんまと騙した話です。
以前、僕は、神奈川県のとあるメル友探しサイトに、知り合いの女性(十六歳)の名を編って会員になったことがありました。
もちろん、「ネットおかま」をするのが目的でしたが、ターグットは最初からネットの管理者であるシスオペに決めていました。
というのも、後輩がそのシスオペ(二十歳・大学生)と同級生で、「いつも学校でバカにされているので、ひと泡吹かせてやってくださいよ」と、僕に懇願してきたからです。
仮に、このシスオペの名前を山田としておきましょう。
後輩からは、あらかじめ、山田に関する情報をいくつか得ていました。
現実の女の子よリマンガの登場人物の女の子に恋をしてしまうような典型的なマンガおたくとのことでした。
僕は、入会するとすぐに、次のようなメールを、山田宛てに送ったのです。
「はじめまして。弟にすすめられて、初めて入ったのがこのネットです。初心者ですが、よろしくおねがいします。メグミ」
山田は「メグミ」の〈十六歳・女性〉というパーソナルデータを見て、最初は、かなり疑っていたようです。
返ってきたメールには、いくぶん突き放すような雰囲気のメッセージが書かれていました。
しかし何度か、自々しいメールを送り続け、なんとか毎日のようにメル友探しサイトでのメール交換をする間柄にまでこぎつけました。
といっても、依然、内容は、「このソフトを使ったほうがいいよ」とか、「パソコンはなにを使っているの」などといったたわいのないものです。
話を合わせるのはさほど難しくありませんでした。
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